馳星周「トーキョーバビロン」菊池秀行で言うなら「魔宮バビロン」、CLAMPで言うなら「東京BABYLON」

だけど、今回はこれ

馳星周「トーキョーバビロン」

フィッツジェラルドの「バビロン再訪」や川原泉の「バビロンまで何マイル?」(この人の漫画は大好き)なんてのもあるけど、それはおいといてくれ。

久しぶりに馳星周。

ドロドロした人間関係から結末に向かってのカタストロフ、予定調和ではあるけれどこれが無ければ馳星周ではない。

大金を強奪するための計画段階ではうまくいきそうな予感も与えつつ、次第にそれぞれに後ろ暗い部分ができ、互いが互いを出し抜こうと腹の探り合いを繰り返し、終いには全て泡と化していく。

ノワールが求められているのはトリックやプロットではなく、こういった人間のどす黒い部分を描くことだと思う。生きるか死ぬかの瀬戸際でどれだけ足掻くか、そこを描ききれなければ面白くない。死に方を描くという点では北方水滸伝と共通しているが、その内容はまるっきり別ものだ。

世の中自業自得だね。


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