“神様のパズル”から続くシリーズ三作目。

表紙のイラストがあからさまなライトノベルっぽさを醸し出していて、文章も軽妙なので、買うのを躊躇ってしまうのだが、中身はハードなSF。

一作目は「宇宙を作れるか?」、二作目は「自己とは何か?」、そして三作目の今作では「生命とは何か?」というテーマに挑んでいる。

日本のSFでは、舞台やキャラ設定の仕掛けはしっかりしているものの物語の展開だけに比重を置いているものが多いように感じられるが、この作者はそれなりに答えを導こうとしている姿勢が見られる。

SFの存在意義の一つは、これから我々が向かうべき未来についての思考実験を行うことであると信じている。
そして、この作者はそれに対し真摯に向かっているところに好感が持てる。


もちろん、物語として破綻していないことが最低限の条件である。
主人公は優柔不断の平凡な青年、対するヒロインは量子コンピューターを開発した超天才でツンデレ要素たっぷりの女子高生。
これで面白くならないわけもない。


人を引きつける要素もかなり含んでいるので、おすすめ。


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