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108星が揃うまでは誰も死なないというのがこれまでの水滸伝であったが、北方謙三はそういった予定調和さえも壊してしまった。まだ序盤であるこの5巻で主要人物であるはずの楊志が死んでしまうとは驚き。石秀、周通も死に、いきなり星三つ欠けた状態になってしまった。

水滸伝は作者が定まっていないとされている。巷間に伝わる逸話をいくつも合わせて出来上がったのが現在の形で、まとめた人物によって内容が異なるらしい。

いろんな形の水滸伝があるなら、俺の水滸伝があってもいいだろうというようなことを北方謙三がエッセイに書いていた。

以前に読んだ「水滸伝」は、仲間が集まるに連れてワクワクしていったが、こんな風に途中で死んでいくのであれば油断していられない。最初から最後まで、仲間の死と付き合わねばならない。

気が抜けない小説だ。

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